Ⅰ.事業実施項目
平成22年度は、協議会構成機関の広域的な連携を維持するとともに、地域企業の技術開発力向上に貢献していくため、経済産業省の委託事業である新産業支援プラットフォーム事業を活用した「技術支援プラットフォーム事業」として、次に掲げる取り組みを実施した。
2.構成機関のネットワークを活用したワンストップサービスの推進による企業の技術課題への対応
3.九州地域の新成長産業分野を対象とする研究会活動を通じた技術開発力向上支援
6.普及啓発事業
Ⅱ.具体的な事業実績
1.構成機関のネットワークの維持・継続
(1)総会等
平成22年7月30日に開催した通常総会を「技術支援プラットフォーム」の全体会議と位置付け、21年度事業報告、22年度事業計画等に関して審議した。
また、総会出席者は、通常総会終了後に開催された「産業支援金融プラットフォーム」(金融関係機関等で構成)のキックオフ、特別講演会、合同交流会に参加し、当該事業に対する理解を深めるとともに、両プラットフォームの連携を図った。
| ・開催日 | : | 平成22年7月30日(金) |
| ・場所 | : | 福岡市(博多都ホテル) |
| ・特別講演会 | : |
[講師] 富士市産業支援センター センター長 小出宗昭氏 [演題] 「中小企業の起業を成功させるノウハウとは」 |
| ・出席者 | : |
[総会] 117名 [講演会] 126名 |
(2)幹事会
協議会事業の推進と円滑な運営を図るため、幹事会委員(11名)で構成する幹事会を開催し、22年度事業活動等について検討した。
| ・開催日 | : | 平成22年7月15日(木) |
| ・場所 | : | 福岡市(九州産業技術センター会議室) |
| ・出席者 | : | 26名 |
(3)技術支援連絡調整会議
協議会の各種事業に関する的確な推進・調整を図るため、協議会に配置のコーディネータ、新成長産業分野推進機関及び事務局関係者等で構成する連絡調整会議を開催し、各々の関係機関の連携を図るとともに、活動状況を共有化した。
| ・開催日 | : | 平成22年10月6日(水) | |||||||||
| ・場所 | : | 福岡市(九州産業技術センター会議室) | |||||||||
| ・出席者 | : | 23名
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(4)実務担当責任者を通じたネットワーク
構成機関の実務担当責任者へのイノベーションネット情報や会員情報の配信、或いは広域的なワンストップサービス実施面での連携等を通じて、構成機関とのネットワークを維持・継続するとともに、事業の効果的な展開を図った。
なお、平成22年度末の協議会構成機関は、60機関である。(前年度と同様)
- イノベーションネット情報の配信:34回(国の公募情報、講演会の紹介等)
- 会員情報の配信:23回(会員機関の公募情報、取り組みの紹介等)
(5)コーディネータ等の配置
協議会事務局に専門知識を有する統括コーディネータ1名、サブコーディネータ2名を配置し、「企業の技術課題解決に向けたワンストップサービスの実施」、「研究会活動の効果的な推進」等、協議会事業の円滑な推進に向けた取り組みを実施した。
また、協議会のコーディネータ及び事務局担当者が、各県公設試、産業支援機関等に訪問し、協議会事業に係るネットワークの充実を図った。
(1)訪問型技術相談の実施
協議会の事務局(コーディネータ、職員)が、九州地域における有望な研究開発型企業等に訪問し、企業が抱える技術課題を発掘するとともに、国の技術施策の紹介等、課題解決に向けた対応を行った。
こうした活動から、産学が連携した研究開発に進展する案件も生まれている。
| 訪問型技術相談 の実施件数 |
14企業 ・内訳(福岡県4、長崎県2、大分県2、宮崎県3、鹿児島県3) |
|---|
■参考:訪問型技術相談を契機とした主な支援活動の事例
| 1. | 福岡県内の企業P社 企業の持つ技術開発課題の内容を把握後、KICCのネットワークを通じ、九州工業大学の先生を探し出し、共同研究を具体化。その後、複数回の検討会等を開き、プロジェクト内容のブラッシュアップを通して国のプロジェクト(サポイン)への提案を支援。 |
| 2. | 長崎県内の企業I社 企業の持つ技術開発課題の内容を把握後、国のプロジェクト(サポイン)に相応しい提案内容となるよう、検討会の開催等を通して提案を支援。 |
(2)様々な分野に係る企業の技術課題への対応(上記(1)を含む)
協議会に配置のコーディネータ等が、様々な分野の技術相談に対応するとともに、構成機関の実務担当責任者等とも連携して、広域的なワンストップサービスに努めた。
| 技術相談件数:計 116件 | ||||||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 相談企業の分野 |
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| 相談内容に対する 対応形態 |
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技術相談案件に関しては、必要に応じて、協議会に配置のコーディネータや事務局関係者(九州産業技術センター、産総研九州センター)で構成する「事務局グループ会議」において、産学マッチング等に向けた具体的な対応策等を検討した。
| 事務局グループ会議 開催実績 |
計 8回
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こうした取り組みの結果、技術相談企業と構成機関の研究者等との具体的なマッチングや国の産学共同研究開発に進む案件も出ている。
■参考:技術相談事業に係る主な成果例
| 1. |
国の22年度の共同研究開発プロジェクトに採択された案件
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| 2. |
事業化が進展した案件 (1)「堆肥を燃料とする燃焼ボイラーの開発」鹿児島県内のA社が抱える技術開発課題を把握後、KICCのネットワークを通じて熊本大学の先生を探し出し共同研究を進めた結果、実証実験を行うまでに進展。 |
| (備考) | 1.の国の共同研究開発プロジェクトの採択事業については、上記3件以外に、平成21年度の技術相談案件の中から採択された案件が2件ある。 |
3.九州地域の新成長産業分野を対象とする研究会活動を通じた技術開発力向上支援
九州地域における新成長産業分野である半導体、環境・エネルギー、バイオ産業分野を対象として、協議会の構成機関等の研究者から7本の研究会活動の提案を受け、その中から、技術開発力向上に結びつく共通的かつ広域的な技術課題で、R&Dの具体化が期待される以下の2テーマを採択した。
採択した2テーマに関しては、いずれも産学官が参画する研究会活動を通して、共同研究開発プロジェクトの具体化に向けた取り組みが進められた。
(1)「生細胞のリアルタイムモニターのためのナノバイオデバイス研究会」
| 代表者 | 国立大学法人九州大学 准教授 小名俊博 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 研究会のねらい | 生細胞のリアルタイムモニターから、機能性農林水産物や食品、医薬品及びこれらの併用効果が発揮される組み合わせのスクリーニングに資するナノバイオデバイス開発のプラットフォームを構築する。 このため、構成メンバーの共同研究開発の具体化を目指す。 |
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| 主な活動 |
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| 活動成果 | 市場側の農林水産・食品及び製薬産業と製造工程側の半導体等装置産業のシームレスな連携を促進するとともに、本テーマに係る新産業創出に向けた共同研究開発の環境が整備。 国の共同プロジェクトに提案するなど共同研究開発の具体化に向けた検討を展開中。 |
(2)「インスペクション技術研究会」
| 代表者 | (独)産業技術総合研究所 生産計測技術研究所 研究チーム長 野中一洋 | |||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 研究会のねらい | 半導体分野を中心とした検査技術に関して、専門家も含めた種々の情報発信の場を通じて産業界に共通した重要なニーズの抽出・分析を行い、最終的には検査装置の実用化を軸とした共同研究開発を目指す。 | |||||||||
| 主な活動 |
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| 活動成果 | 本研究会メンバーの計測・評価技術の向上と計測ニーズの掘り起こしを行うとともに、今後の共同研究開発の具体化に向けた連携強化等の環境を整備。 |
4.試験研究機器等データベースの維持・活用
(1)開放試験研究機器データベースの維持・更新と活用の促進
構成機関との連携・協力の下で、前年度までに整備した広域的な開放試験研究機器データベースを維持・更新した。(各県公設試のデータベース更新は、九州地方知事会(工業系公設試連携事務局)の協力の下で実施。)
| データベースの登録機関数 (29機関) |
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この結果、平成22年度末の登録件数は、1,570件となった。
| 分類 | H21年度末 登録件数(累計) |
修正件数 | 削除件数 | 新規件数 | H22年度末 登録件数(累計) |
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|---|---|---|---|---|---|---|
| 公設試 | 福岡県 | 174 | 0 | 0 | 1 | 175 |
| 佐賀県 | 155 | 2 | 2 | 12 | 165 | |
| 長崎県 | 155 | 19 | 6 | 27 | 176 | |
| 熊本県 | 164 | 163 | 1 | 8 | 171 | |
| 大分県 | 1721 | 124 | 12 | 18 | 178 | |
| 宮崎県 | 183 | 10 | 0 | 3 | 186 | |
| 鹿児島県 | 89 | 3 | 0 | 12 | 101 | |
| 小計 | 1,092 | 321 | 21 | 81 | 1,152 | |
| その他 | 大学 | 248 | 0 | 0 | 36 | 284 |
| 高専 | 21 | 1 | 0 | 0 | 21 | |
| 支援機関 | 70 | 31 | 0 | 38 | 108 | |
| 産総研 | 0 | 0 | 0 | 5 | 5 | |
| 合計 | 1,431 | 353 | 21 | 160 | 1,570 | |
更新したデータベースについては、ホームページを通じて、幅広く企業等に紹介するとともに、「開放機器データベースの利用方法について」の解説リーフレットを3,000部作成の上、構成機関及び企業の方々へ幅広く配布し、その活用の促進を図った。(KICCホームページのデータベースへの平成22年度アクセス件数は、1,385件(月平均115件)となっている。)
(2)主要3分野データベースの維持・更新と活用の促進
「生産計測技術分野」(半導体関連)、「カーエレクトロニクス分野」(自動車関連)、「食品・バイオ分野」(農工連携関連)の研究者・試験研究機器データベースを維持・更新した。(22年度末の登録データ件数は、504件)
また、これらの「主要3分野データベース」については、ホームページを通して、各分野の登録会員(22年度末の登録者数は、415名)に提供した。
| 分野別 | H21年度末登録件数(累計) | H22年度末登録件数(累計) | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 研究者データ | 機器データ | 合計 | 研究者データ | 機器データ | 合計 | |
| 生産計測技術分野 | 54 | 112 | 166 | 55 | 117 | 172 |
| カーエレクトロニクス分野 | 78 | 37 | 115 | 78 | 37 | 115 |
| 食品・バイオ分野 | 123 | 81 | 204 | 133 | 84 | 217 |
| 合計 | 255 | 230 | 485 | 266 | 238 | 504 |
5.産業支援金融プラットフォーム事業との連携
平成22年度の協議会総会に併せて、産業支援金融プラットフォームのキックオフを開催するとともに、地域金融機関等で構成する産業支援金融プラットフォーム委員会への協議会コーディネータ等の参画等、相互の連携を図り、地域企業の研究開発から事業化までの総合的な支援環境を整えた。
また、産業支援金融プラットフォームに参画の金融機関から相談のあった「地域企業の技術・事業化に関する課題」等については、協議会で対応した。
| 産業支援金融プラット フォームからの相談 (件数:8件) |
・協議会事務局で調査回答:6件 ・協議会構成機関の関係者と面談:1件 ・協議会構成機関の関係者とプロジェクトを検討:1件 |
|---|
■参考:訪問型技術相談を契機とした主な支援活動の事例
- 福岡県内の中小メーカー(F社)の自動化生産に関する技術面の課題に関して、標記プラットフォーム参加の金融機関から相談。KICCでは、西日本工業大学の先生を探し出し、F社と合同で面談後、双方で具体化に向けた協議を実施。
6.普及啓発事業
(1)広報活動
協議会の「ホームページ」を通して、協議会事業を幅広く紹介するとともに、これに産業支援金融プラットフォーム事業を加えた「PR用リーフレット」等を作成し、普及啓発活動に努めた。
| ホームページの活用 | 開放試験研究機器等データベースの提供やワンストップサービス事業をはじめとする協議会活動を幅広く紹介するとともに、産業支援金融プラットフォーム関係の情報も発信。 |
|---|---|
| リーフレットの刷新等 | 協議会の取り組みと産業支援金融プラットフォームの取り組みを併せて紹介するリーフレットを作成(3千部)し、協議会構成機関や産業支援金融プラットフォーム、さらには地域企業、自治体等に活動をPR。 また、「開放機器データベースの利用方法について」の解説リーフレットを3,000部作成の上、構成機関及び企業へ配布し、その活用を促進。 |
| 九州産業技術センター 広報誌の活用 |
(財)九州産業技術センターが発行する広報誌(年4回発行)に協議会活動を紹介。 |
(2)各種会議等におけるPR活動
北九州で開催された「九州・国際テクノフェア」(H22.9.29~10.1)に出展し、協議会事業のPRを行ったのをはじめ、九州経済産業局主催の「産業支援金融プラットフォーム設置連絡会」、九州産業技術センター主催の「マッチングプロデューサー連絡会」等において、協議会事業をPRするとともに、協議会活動との連携・協力を要請した。
また、各種の会合や協議会実施の研究会(2テーマ)においても、協議会活動のPRに努めた。















